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コロナ禍の中でも検診は受けたい

[2020.12.20]
 新型コロナウイルス感染症の収束の目途がたたない中で秦野市のがん検診受診者が減少しています。乳がん検診も同様であり、検診受診率の高い欧米では治療の遅れが問題になっています。これをうけてピンクリボン運動月間である令和2年10月に地域コミュニティ紙タウンニュースの取材を受けました。見られた方もいらっしゃるかもしれません。この時下記の様にお話ししました。

  • 乳がん検診は自分の乳房を知ることができる良い機会です。秦野市では集団検診から医師の説明が受けられる医療機関施設検診まで揃っています。欧米では昔から乳がんに罹る方が多く、マンモグラフィーによる乳がん検診が広まりました。米国や北欧諸国では2年間で70~80%もの受診率です。私が医師になった1980年代に日本人の乳がんは年間3万人ほどでしたが、今や9万人を超えて生涯に9人に1人が乳がんに罹る時代になりました。でも、早めに見つけられれば多くの方が治ります。ところが秦野市で乳がん検診を受けた方はこの2年間で対象者の14%に過ぎません。2年に1度は秦野市が費用の多くを負担してくれているのに。他の検診も含めて、みすみすその機会を放棄しないでほしい。41歳になるあなた、無料クーポンが眠っていませんか。お風呂に入ったときに触っていますか。乳がんは体の表面にできるため自分で感じられる病気です。健康診断で乳房超音波検査を受けたことがありますか。乳がんは腫瘤を作ることが多く、超音波検査(エコー)は腫瘤を映し出すのが上手です。自分で感じる様になる前に発見しようというのが乳がん検診であり、任意健康診断の超音波検査です。家族の世話に忙しい女性だからこそ、この機会を生かしてずっと笑顔でいましょう。 (タウンニュース秦野市、2020.10)
  •  日々の診療で多くの方を拝見するようになりましたが、乳がん検診に来る人で意外に多くの方が自分の乳房に無関心であることが気になります。「2年毎に乳がん検診を受けてれば大丈夫でしょ。」という言葉がよく出てきます。女性の意識が変わり、日本人の70~80%の女性(検診対象者のうち)が定期的にマンモグラフィー検診を受けてくれたら、乳がん死亡率が下がる可能性が高いということは言えそうです。 検診は予防策ではありません。でも、乳がん検診をきっかけにして自分の乳房に意識を向ける様になってもらえれば早期発見に繋がります。いつもと違う、おかしいと感じたら気軽に乳腺外科に受診できるようになりました。当院の検診では先に撮影したマンモグラフィーについての説明をしています。欧米の女性に比べてマンモグラフィー画像が透き通らず、白く映りがちな日本人では乳房超音波検査も有力な検査方法です。多くの乳がんは腫瘤を作り、腫瘤を映し出す能力は超音波検査の方が優れています。一般の診療では超音波検査を併用して精査します。

    今は気になることはないけれど調べてみたいという人には自費での乳房健康診断があります。当院では1.マンモグラフィー+乳房超音波 2.マンモグラフィー 3.乳房超音波 を行っており、視触診とともに検査結果を説明します。2年毎にマンモグラフィー検診を受けている方なら、その間の年に乳房超音波による健康診断を受けておくのが得策です。一人一人の意識の変化が日本人全体の乳がん死亡率の低下につながるのです。
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