乳がん検診を受けられる方々へ

　自己検診をしていますか？私は乳がん検診のお手伝いをする際に皆さんに尋ねてきました。でもYESと答える人は1/3ほどです。マスコミで取り上げられた時期でも同じでした。私は昨年度まで伊勢原市・秦野市・厚木市・平塚市・大磯町・二宮町・海老名市などの乳がん検診を手伝ってきました。神奈川県内の乳がん検診は視触診とマンモグラフィーとの併用検診が主です。病院で診察する患者さんの多くは背景に慢性乳腺症があり、触診上の硬さがあるのが当たり前です。これに対して検診会場で触診させていただく人達の８０％以上は柔らかい乳房です。病院に来る人たちの多くが異常を感じるかまたは指摘されて受診されます。そしてその後も病院での検査を繰り返されます。検診会場に来る人の多くは自己検診はしないが異常も感じていない人たちです。その差が乳房の硬さ柔らかさに現れます。乳がんの多くはしこりを作ります。がんのしこりは硬いものです。硬い乳房だからといって乳がんになり易いわけではありません。ただし柔らかい乳房の中の硬い腫瘤は背景乳腺が硬いときよりも触知し易いものです。自己検診は馬鹿にできません。乳がんの治療を受ける患者さんの受診のきっかけの多くはしこりの自覚です。機会があれば自分のマンモグラフィーを見て説明を受けてください。自分の乳房の超音波像を見て説明を受けてください。その上で自己検診を行えば、もしもの時に早めに気付けるのではないかと思います。